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修理教室を始めるにあたって

去年からやるやると言っていた「修理教室」を始めます。
J-waveでも宣伝させてもらったのに、なかなか始められず、気が重かったです。

本当に時間がかかってしまい、やるやる詐欺にならずに済んで良かったです。いや、本当に。

構想はニットキュアをはじめた2年目からありました。
思いの他、ニット修理の需要があった事がきっかけです。

沢山のお客さんからメール見積もりを頂きますが、そこから実際に修理をするのは3分の1程度。ということは他の方は料金との折り合いがつかなくてあきらめているんだという事がわかってきました。
当時はネット注文できるニット服の修理屋さんはほとんどなかったので、そう思えたんです。今はアイミツ(合い見積り)とっているお客さんもいますね。ニットキュアは値段じゃない部分で選んで欲しい、と思っているので安い店を選びたい方はそれでもいいと思っています。

ニットキュアも仕事でやっている以上、金額はもらわないといけないし、運賃やコストを考えると安い設定はしたくない。だから、きちんとした修理をしてそれなりの金額を貰うようにしていました。
また、修理をしてよく言われるのが「ニット服が修理できるとは知らなかった」という言葉。だから、穴が開いたまま着ていて、状態を悪くしてしまう方もいました。トラブルが起きてすぐ出してくれれば、もっと安く、もっと綺麗に直せたのにな・・・。という事もちらほら。
そんなもやもやがずっとありました。

また、自分の家庭ではお店レベルのクオリティを求める修理はそんなにありません。しかも、跡が残ってもいいからもう少し長く着たい、使いたいという程度の物が多い。
じゃあ、簡単な修理は家でできるようになればいいんじゃないのかな?
トラブルからお直しまでの距離や時間が短いほどいい。
「地産地消」ではないけれど、できるだけ早いほうが修理も楽で済むし。

そんな中、ネットやTVでダーニングや繕いを見る機会が増えていきました。私も仕事が軌道に乗り、少し余裕が出てきました。
だから、はじめる事にしました。

修理を教えたら、ニットキュアの注文が減るという人もいます。
私はその点は心配していません。ニット服が修理できるということがわかれば、市場のニーズの掘り起こしになります。また、ニットキュアのファンを作ることにもなるからです。ドラッカーも言っています。「企業の目的は顧客の創造」だと。

企業でもなく小さな会社ですが、仕事の根っこは同じだと思っています。
どうか長く続くサービスになって欲しいです。

繕いの参考にしている本です。本当にいい本で、身の丈の繕いにぴったりです。

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