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化粧は年に1・2回

女が仕事をする上で、しなきゃいけない事になっている化粧。
この無言のプレッシャー、との静かな戦いが私にもありました。

私は18歳で事務職で働き始めました。
24年前の事務職です。私の働く職場にPCはなく、会社の経理はOCRという紙に手書きで書いていました。経理の下っ端の仕事だったんですが、やることは伝票書きと電卓打ちと、膨大にたまっていく伝票整理。
服装は制服を与えられていました。タイトスカートでした。それに合わせて先輩から化粧もしてくるように言われました。ストッキングとパンプスは自分で用意しました。私は働くってこんなもんかな~と思って、言うことを聞いてました。少し大人になった気がして、恥ずかしい気持ちもありつつ嬉しかったのを覚えています。

仕事は伝票書きが多かったのですが日によっては、一日中伝票整理の日もありました。これが、力仕事でかなり大変。23、24ぐらいの女性の先輩方と一緒に片づけてました。
ここで私は思ったのです。力仕事だったら、ズボンとスニーカーのがはかどるじゃん。ストッキングを電線させないように、スカートが恥ずかしいことにならないようにって気にするから、よけいに大変なんじゃん。そして職場にいる男性(30代以上)は力仕事を手伝うことをしない。

なんだろうこれ?
しかも私は毎日のようにストッキングを伝線させる。結構お金かかるキーー!
毎日の仕事の中心は電卓を打って計算をする事。それと口紅がなんの役に立つ?

仕事の内容と、求められる服装のギャップ。半年ぐらいで、違和感を感じ始めました。

その後販売の仕事をしました。
もちろん、服装は大事です。私は服装のルールをきちんと守りました。
販売の仕事に慣れ、売ることが楽しくなり、ちょっとずつ販売成績が良くなり始めました。
そこで又思いました。スカートはいて、パンプスはいてないとこの販売成績だせないの?

私は考えることが好きなタイプです。
私なりに考えました。考えても考えてもわかりません。というか、仕事の内容と女性らしい服装は関係ない。むしろ仕事の効率を邪魔することもあるじゃん。
今なら、フェミニズムという言葉で調べ考えればよかったのだとわかるのですが、当時は全然わかりません。
むしろ、フェミニズムはヒステリー女性、かかわらないようにしようというぐらい極端な考えでした。

女性らしい服も化粧も嫌いな訳じゃない。楽しいこともある。
けど、しないと仕事できないというのはどうも私には窮屈だ。と思いました。
又私は長い事吹き出物に悩まされていました。もう本当にあらゆる基礎化粧品、薬、病院、サプリメントと試しましたが、良くなったり悪くなったりを繰り返すばかり。
たまたま、化粧をしないですむ時期がありました。そしたら、肌トラブルも減ったのです。
そこで気づきました。化粧をする事と、化粧を落とす工程で、肌を痛めつけている事を。化粧そのものをしなければダメージを与えなくてすむ、ダメージがなければトラブルが起きても直りやすい。肌トラブルをなんとかする、という対処療法からトラブルそのものをなくそうという考え方に変えました。

そんな化粧をしなくて済む仕事という目的もあり、ニット服の修理のアルバイトを始めました。
仕事は修理の最終チェックでした。だから動きやすやメイン。化粧をしないもっともらしい理由もできました!
そして、思い切って化粧をしないで仕事に通い始めてみたら・・・、すっごい楽!!
そして、だれも怒らない。なんか拍子抜けぐらい、怒られない。

その後自分のお店を持つと、もっと楽になりました。
夏自転車走らせて店に着くと汗だくです。手足と顔を水で洗って30分クールダウンしてから仕事を始めると、仕事に集中できることがわかりました。

でもほんの少しだけ後ろめたさもありました。だから化粧をしない理由を自分なりに考えておきました。
「化粧で預かった服をよごさないように」でも、一度も聞かれた事ない。だから話した事もない。今回初めて人目に触れさせました。

つい2年ぐらい前まで日焼け止めは塗っていました。そしてある時日焼け止めも塗らないという大物と話をする機会がありました。
私も、ちょっとやってみよう。なんかあったら、また塗ればいいやと思いました。
そして日焼け止めもやめてみました。毎年夏になると目がしばしばしてました。これは強い紫外線のせいかな?と思っていたけど、日焼け止めをやめたらそのしばしばもなくなった。結局日焼け止めが汗で溶けて目に入っていたんです。そのトラブルもなくなりました。
なんか化粧を辞めたらいい事ばっか。という事で今は本当にスッピンです。
普段はもちろん、MUJIの仕事の時も、あさイチの取材の時も、一応化粧した方がいいのかな~? と思うけど普段しないのでつい忘れて、結局しない。

最近化粧したのは子供の七五三の時。写真撮る時だけして、終わったらすぐ洗い流しました。

でももしかしたら、私が気が付いていないだけで大きい仕事のチャンス逃しているのかもしれない。
けど気づいてないから、ないのも同然。

 

 

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