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やっぱり手に職ですかね? (2/3)

【2】事業として成功させるために私が考えたこと
一番大事にしたのは「支出を減らすこと」でした。

●じぶんでやる
最初はとにかくケチケチしていました。マンションを借りて、ミシンやテーブルやPCなどの備品を買ったら、あっという間に起業の為に用意した準備金の100万円がなくなったからです。
雑務は時間がかかっても無料の方法を選びました。通帳の記帳も自分で行けば、無料。税務署の書類も自分でもらいに行けば、無料。経理も自分でやれば、無料。買うこともできるサービスをできるだけ自分でやっていました。
仕事が隙だったからできたんですけど…
良いこともありました。最初はわからなかった税務が、なんと自分でやるおかげでわかってきました。

●固定費を増やさない
この頃テレ東のWBSをよく見ていました。3年ぐらい見続けているとある法則に気づきます。それは「大きく投資をした会社が2~3年後に倒産することがある。」でした。
起業後3年で大きく売り上げを伸ばした会社が大きく借り入れをして工場を大きくしたけど、伸び悩んで返済できずに倒産のパターンが多かったんです。
素人考えですが「企業3年目はそりゃぐんぐん伸びるだろう。ゼロからのスタートなんだし。その後同じスピードで伸び続けると思う方が不思議。けれど、渦中にいると気が付かないのかもしれない。自分は気を付けよう。とりあえず、固定費を増やさないように気を付けよう」
なので、固定費や維持費にかかる項目は、一度増やすと減らすのが難しくなります。だから常に厳選していました。

●コストの考え方
お金以外のコストも減らしました。
ここでいうコストは時間や手間や精神的な負担になるという意味のコストです。
特に自分の気持ちに負担になるものは積極的に減らしました。せっかくの自分の仕事です。
一番は通勤。ひと駅になるようにしました。やりたいことだけやる訳にはいきません。でも、やりたくない事を減らすと仕事に集中できます。
自分にとって使いやすい道具、やりやすい方法、それにこだわることでパフォーマンスが上がる経験をしました。これは誤算でした。自分で納得できる仕事をするために、自分の環境を整えられるのは、私にとっては目からうろこの経験でした。

私にとって「コストを下げる」とは新しい経験を積み重ねる事でした。
高校で習ったままの簿記を実務に使ってみる。
税務署って怖いでいうけど、本当かな? いやそうでもない。
屋号で通帳を作ってみたい、へー銀行によってこんな風に違うんだ。
お金を使わないとはいえ毎日ATMへの記帳はやっぱつらい、止めよう…。

それはお金で買える価値をいちいち計ってる事になりました。それは楽しいことでした。
事業者という立場から経済を見るのは新鮮で、学べることも多かったです。

●大きな変化で生産性をあげた
5年目ごろ子供が生まれ、ニットキュアも法人化しました。
仕事の受注量も増え始め、ぐんと忙しくなりました。決定的だったのは離婚して子供を一人で育てる事になった時です。
まずい、今までのようにはいかない!
そこで生産性を上げました。起業時期に暇に飽かせてビジネス本を読み漁っていましたから、システム化や生産性を上げる方法は何となく知っていました。うまく使いこなせなかった理屈でしたが、せっぱつまると人は動きます。仕事に本当に必要なことを洗い出し、そこに集中しました。選択と集中です。
家庭も同じように生産性を意識しました。その時に役に立ったのが仕事で知った税務の知識やお金の考えかたです。優先順位のつけ方、決断の仕方はすごく役立ちました。
この時は時間がなにより優先でした。時間が少しでも節約できるなら割高なサービスでも買いました。
そして、家庭と仕事の時間のバランスが取れるようになりました。

入ってくる金額は期待値でしかないけれど、コストはコントロールできます。
そして、コストとはお金だけではなく時間や自分がどう感じるかも含みます。
コストのコントロールがうまくできたから、事業が続けられて家庭ともバランスが取れているのだと思います。

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生産性を上げる本といえば、コレ! 私も10年ぐらい前に読んでから常にイシューは意識しています。できなくても、考えを知っているだけで無意識に行動に現れる気がします。
ただ、文章が専門的な印象で読みにくいんですよね。読んでコツが分かれば、仕事に家庭に育児に応用利くのがイシューです。

『イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」』

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