生物園から預かった羊の毛を洗う
今年も生物園から羊毛を預かりました!
預かるのも4回目になりました。最初はこわごわ訳も分からず洗い、フェルト化させてしまった事もありましが、今では大分慣れました。なので、私の羊毛の洗い方を紹介してみます。
■汚れ取り
友人に声をかけ一気に4人でやりました。生物園さんから来た直後は砂やフンや葉っぱなどが混ざっているので、それらを取り除きます。衣類の繊維用に家畜として育てられている羊は、そこまで汚れないそうです。観賞用として育てられているので、どうしても汚れが酷くなります。あまりにひどい部分はハサミでカットしたり、毛ごと取り除きます。今年は2頭分なので量が多かったです。
羊自身の油もついているので、作業後には手は真っ黒です。でもこれ、石けんでさっと洗い流せます。
べたべたするけど不快じゃない、不思議な油です。
1年間お風呂にも入らないで毛を伸ばしっぱなしですから、油も溜まりますよね。
表面の茶色い所をハサミでカットします。
■汚れ取りをした後の羊毛
これだけでました。フンや草がついているので、ごみ袋にいれてそのまま捨てます。
電気がない時代には、おそらくこれが焚き付けとし使えたと思います。フンは乾かせばよく燃えるし、羊の油もついていますから。今の時代で、趣味の延長なので、燃えるごみになってしまうんだと思います。
■余洗い
ここからは自宅で作業します。湯船に熱湯(60度)を張り、羊毛をふわっと入れます。60度なのは、家の給湯器の最大値が60度だからです。棒などで押してそうっと沈めます。すると泥や油が溶けでてきます。そしてびっくりするぐらい砂も出てきます。
■洗い
洗剤で洗います。モノゲンという専用の洗剤です。私は液体タイプを溶かします。お湯60度50Lに対しモノゲン200mlです。泡立てちゃいけないと言われた気もするのですが、泡立ってしまいました……。時々棒で押して汚れが出やすいようにしてあげます。何もしないでいると、内側の汚れが残ったままになってしまいます。
そうっと沈めて、3時間待ちました。洗い終わったらそうっとネットにあげて、洗濯機で脱水します。
以前は洗濯機の中で洗い、そのまま脱水をしていました。ところが洗濯機の中がとても汚れてしまいます。結局洗濯機を洗う手間があるので羊毛を洗うのをお風呂場に変えました。この段取りの方が私には洗いやすいです。
移動でフェルト化すると心配するかもしれませんが、結構大丈夫です。フェルト化はこする際に起きるので、これくらいではなりません。濡れいていると絡みやすいので、そうっと持ったり移動させるようにはしています。
■洗って、脱水後
内側に若干茶色い汚れが残っています。
■すすぎ
洗濯機に入れたままお湯をたっぷり張ります。そしてすすぎます。洗濯機は動かしません。お湯60度で30分放置です。時々棒で押して洗剤が流れ出やすいようにしてあげます。時間が来たらそのまま脱水します。
■干す
脱水後は乾燥します。普通は大きい網の上で干しますが、普通の家庭の我が家にはそんなものないので、ブルーシートの上で干しています。窓際に置きます。洗うのが例年8月なので、すぐ乾きます。8月に洗うのは本業が閑散期だからです。できるだけすぐに洗った方が汚れは取れやすいそうですが、いつも8月になってしまいます。
■できあがり
乾いた毛です。2頭分なので、70Lサイズの袋いっぱいになりました。
すすぐときと、乾かすときにも、ごみを取り除きます。手で一つ一つ取り除きます。ごみ取りは修行のような大変さです。この工程でまた少し毛が減ります。
乾いた後の毛はカーターにかけ、繊維の方向を整えます。それでまた3分の2から半分ぐらいまで減ります。
そこまでやって商品レベルの羊毛になります。