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手紬の新聖地ソウイに行ってきました

手紬ぎ専門のお店ソウイさんに行った話と、足立区生物園のお土産づくりの話です。
羊毛と古道具の店ソウイ

手紬ぎ好きさんの聖地といえば、吉祥寺のアナンダ! だと私は思っていたのですが、2021年に閉店してしまいました。
紬車も使い方も、糸よりの方法も、植物染めも、みーんなアナンダに通って教えてもらっていました。
じゃあどこで買えば良いんだよー。
山梨の本店で通販できるけど、やっぱり本物を見て、触って学んで教えてもらいたい!

そんな中、元アナンダのスタッフが越谷にお店を出した話を聞きました。
しかも横浜に住むニット仲間が、行きつけにしているという。
フットワークの軽さに軽くビビりながら、連れて行って欲しいとお願いすると「OK!」
やっと行く事が出来ました。
行ってみると、素敵なお店。壁際いっぱいに原毛があり、紬の道具もいっぱいあります。店長のえはらさんの手作りの作品も並んでいて、楽しい。

ソウイ

今回の一番の目的は電動カーダーです。
生物園から預かっている、羊毛の繊維を揃える作業です。
私は足立区生物園から羊の毛を、預かっては毎年ミュージアムショップで売ってもらえるお土産品を作っています。
すっごい手間がかかります。利益度外視です。でもなにか大事なことが学べるような気がするので、赤字にならない程度に製造販売しています。
今年は3年ぶりに羊毛を預かりました。2頭分です。羊の名前がメレンゲちゃんの毛は「メレン毛」と袋に書いてありました。
羊毛
このセンスの良さ、負けていられない。
刈った毛↓
刈った毛
自宅で分別して洗って汚れをとりました。約3か月時間をかけて少しずつ作業を進めました。
モノゲンで洗ってる途中乾かして汚れを除去

去年刈った毛と、今年刈った毛が入っていました。やっぱり今年の方がつやがあってコシがあります。
ソウイさんに見てもらったら、「健康な羊の毛ですね。ストレスとか毛にでるんですよ。この子たちは満足してるんだと思う」というような話をしてくれました。
ヤギと相部屋になった年は、良くヤギの毛が混ざりました。
今年は羊の部屋が増築されたからか、雑草がよく混ざりました。
汚れを取る手間が増えて大変なんですが、毛を触っていると羊の暮らしぶりが見えてきて面白いです。

やっとやっと汚れを取ることができたので、9月8日の台風の日に電動カーダーをかけに行きました。
カーダーとは繊維の向きを揃えるための道具です。短い針金の棒が沢山刺さっています。こすり合わせて繊維の向きを揃えたり、繊維を混ぜたりします。ついでにゴミも少し落としてくれます。
ソウイソウイ
やっぱ電気は凄い!産業革命万歳!
アナンダ本店にはもっと大きい、カーダーがあるのでそこに送って一気にやってもらうこともできますが、それでは学びにならないので、今回は自分の手でやってみました。約3時間。店長さんとお話ししながら、ゆるゆると…ランチには近所のタイ料理を頂きました。
ソウイ
3時間やると、だいぶ判ってきました。こういうのは、言葉にはできません。
自転車に乗る方法を言葉にできないように、やってみないと分からない。
皮膚感覚で理解する世界です。

約3時間で500g位の毛をカーダーかけすることができました。
ふわふわです。
ソウイ
雑草と言葉にできない汚れにまみれた毛が、ここまで綺麗になれば、感無量です。
全部はできませんでしたが、それも構いません。
向きを整えないと、元の毛のくるくるが残ります。それはそれで、羊らしさが残っています。
今回はこの毛の違いを上手く使い分けて、お土産作りに生かしたいです。
ソウイ
えはらさん手作りの「ウミウシのようなブローチ」

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